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テスラ Model Y

日本時間では先週の金曜日のお昼時。予定時間より、やや遅れ気味に「Tesla Model Y」のプレゼンが始まった。

この熱狂はアップルが猛進撃していた頃と同じ熱量を感じる。EVに興味のない人にとってはヤラセにも思えるかも知れないが、問題の多いイーロン・マスク氏がかつてのスティーブ・ジョブズに重なって見えなくもない。そもそも招待された観客は筋金入りの信者ばかりなので反応が過剰ではあるが、それもアップル信者と同じ事。


終盤になり鳴り物入りでやって来たモデルYは、最新が最良だった時代のPCにも通じるところがある。

よりブラッシュアップした最新のEVらしいスペックだが、見た目は3の車高を上げただけの、ごく普通の車に見える。ドアミラーもちゃんと残っているし悪く言えば現代のアメ車風。いや、それは良い意味でも悪い意味でも正真正銘のアメ車だ。




テスラに限りメイドイン・アメリカの組み立て精度は低く粗雑で壊れやすいイメージが存在する。

実際、今売られているモデルSやXの事例を見れば事実が散見できる。なのに、この車が欲しいと思わせるのは、やはり他社EV車に比べての先進性に他ならない。まあアバタもエクボ的な。それもまた、かつてのアップルと同じだ。

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スタンダードモデルの走行距離は230マイル(約370km)と外充電派としては心もとないが、それでもリーフe+よりも実走行距離は同等な上に(為替換算で)価格も大差なし。

ロングレンジグレードを選択すると300マイル(約483km)となる。カタログ値は日本の眉唾JC08に比べ信用性の高いEPAだ。ここまで来れば、もう買ってもいいかと思う。いや欲しい。

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しかし一番の問題は納期。モデル3の右ハンドル車でさえ日本では未だ発売されていないというのに、Yなんて何年後の話? て事になる。

そして、それらが潤沢に供給された頃には他社のEV車が、より安価で提供されているような気もする。


日本車はEV化が遅れていると言われているが、日本で一番売れているN-BOXの価格を考えれば、400万円以上もする車が売れ筋になる事は難しい。

1000万円以上もするテスラ車を乗っている人にとっては、たった400万円の車を何故買わないのだと疑問に思うかも知れないが、これが現実だと思う。EV車がコモディティ化するのは、もう少し先の話とか思うが、逆に考えると今が一番刺激的で面白い時期とも言える。

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EV車に消極的な日本の自動車メーカーを、かつての家電メーカーと重ね合わす理由は良く分かるが、沈黙するトヨタは、そこまでバカじゃないと信じたい。ただ今すぐEVにシフトしたらリストラの嵐だし、体が重過ぎて身軽に動けない三河の商売人は、そのタイミングを密かに狙っているんじゃないかと。しかし、その間に茹でガエルになって行きそうで心配でもある。

ただ、そこまで体力のない未だ具体的なEV車を出していない国内メーカーの方が、もっと心配になる。例えば→ここなんかも。





by pingo21 | 2019-03-19 12:11 | EV・PHEV・HV・FCV | Trackback | Comments(0)