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Édouard Boubat

部屋にある、この猫の写真。

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写真と言うより最初何かのポスターだと思った。

これを買ったの随分昔の話で、市内の商店街にある小さな画廊みたいな所で見つけた。最初はこんな物買う気はなくて「ふ〜ん」と思って、そのまま素通り。翌週また通りがかると店の奥から、やっぱりこの猫が、こっちを見ている。「こっち見んなよ」と思っても、じっと見ている。

猫の写真とくれば大抵が子猫を使った「カワイイ、カワイイ写真」だが、この写真は何か違う。だけど何か気になった。



当時、我が家では「アメショウ」を2匹飼っていた頃だ。

しかも「外産直子の血統書付き」という力の入れよう。と言っても、それは全部カミさんの趣味で、自分は、どちらかと言えば「犬派」だった。ところが猫2匹と一緒に暮らすようになると何故か自分自身も猫好きになり、気がつけば猫雑誌に我猫の写真を投稿しては掲載されて喜んでいた。

だから猫の写真には敏感だったと思う。たぶん猫と音楽(譜面)というのもナイスな組み合わせだしモノクロの味も出ている。

う〜ん、やっぱり気になる。

値段は確か「8,500円」だった。それが高いのか安いのか。いや写真とアクリルパネルの額装ごときで、これは高いだろうと思ったものの、この写真だけは余所で見なかった。よくあるインテリア売り場の隅で売っている大量印刷のポスター写真とは少し違うようだ。

「どうしょうか」と迷って3回目に行った時に買ってしまった。今から考えれば一点物だったので、その間売れなかった事になるが、これもまた運命の出会いだ。

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以後、何年経つだろうか。3回の引っ越しにも、ちゃんと付いてきたしクローゼットの肥やしになる事もなく現在は私の部屋の入り口に飾っている。

随分時間が経ったある日、この写真は一体なんだろうと思った。写真の下には「Partition Édouard Boubat Paris 1982 」の文字がある。後々インターネットが使えるようになった頃、試しに「EDOUARD BOUBAT」で検索してみたが何も出てこなかった。たぶん1982年に何かの催し事があって、そのポスターだと思っていた。

ところが先週になって、この事を思い出し、もう一度検索してみた所これと同じ写真を発見。

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この「Édouard Boubat」エドワール・ブーバ(1923-1999)とはフランスの写真家の名前だった。写真集も沢山売られており、そんな有名な写真家の作品だったとは今まで全く予想していなかったのでビックリ。最近では日本でも作品展が開かれていたらしいく、もっと早く知っていれば見に行ったのにと思った。

同じ猫の写真は現在でも海外では売られている。額装した値段は当時とあまり変わりはなかったが、日本では探したけれど見つからなかった。

インテリアの画としては、これ以外にも、もっと値段の高かった「リトグラフが2点」ほどあるが、今値段を確認したら、どちらも暴落状態。もっとも値上がりを目的に買ったワケではないので、それは気にしないが1点はクローゼットの肥やしになっている。

これを買った後日、同じ画廊でジョンレノンの書いたポスターもあって、それも買おうがどうしょうかと迷っていたら売れてしまった。数年前「鑑定団」にて結構な値段で出ていた事がある。売っていたのは当然コピー(リトグラフ?)だと思うが以後見つけられない。画も一期一会の所がある気がして逃した物ほど後悔が大きい。

数年前から気になっているのは、シトロエンの絵で有名な「今村幸治郎画伯」の作品だ。印刷物ではない、ちゃんとしたリトグラフだが、お値段10万円前後となかなか踏み切れないでいる。ついでにパティ・ボイド(ジョージ・ハリスンとエリック・クラプトンの前妻でモデル、写真家)の写真がオフィシャルサイトで買えるのだが、これがいい値段をしている。まあ限定サイン入りとなると、両夫の写っている写真なんか価値があるかな。

たかが写真とかリトグラフでも、値段にかかわらず心に残るものが部屋にあると雰囲気が随分変わる。今でも時々、画廊を外から覗いては何か面白い物はないかと探す事があるが、なかなかこれだと思う物と懐具合が合いそうなものに出会えない。
Commented by newC at 2010-09-07 20:37 x
大きさは四切でしょうか?それでも額装代だけでも
かなりお買い得だったと思います。

エドゥアール・ブーバは1923年生まれで
http://www.photophiles.com/index.php/les-articles-archives/biographies/24-edouard-boubat.html
によると、1947年国際写真サロン
(salon international de la photographie)で
コダック賞を受賞とありますから、
若くして才能を開花させた方だったようですね。

日本での展覧会は1995年が初めてだったようです。
でも同名の国際写真サロン
(朝日新聞社・全日本写真連盟主催)は
昭和19年(1944年)第10回をもって中止
昭和25年(1950年)復活とありますので
別のコンテストだったのかも知れません。

状態もいいようですし大事になさって下さい。
Commented by pingo21 at 2010-09-08 11:00
写真の部分は30×40cmぐらいでしょうか。変則的な横長です。
そんなに良いものではないですが、たぶん二度と手に入らないものなので大切にしておきたいと思います。
なんて言いながら今日見たらアクリル面にキズが入ってました。
Commented by がっちゃん at 2010-09-10 14:43 x
こういった芸術に程遠いボクと違って、
ヒメはきちんとシーズン毎に絵を掛け替えています。

去年も、あまり有名ではありませんが、いわゆる真面目な地元の画家の
没後何周年かで、画集を出したい。
ということで、絵を借りに来たことがありました。
お宅には、こういう絵と、こういう絵があるはずだって。

Commented by pingo21 at 2010-09-13 17:14
うちには季節ごとに掛け替える程ありませんです。
がっちゃん邸には、お宝が眠ってそう。
Commented by がっちゃん at 2010-09-13 22:03 x
ヒメの母親が、昔、若い芸術家達をちょっと援助してたみたいなんです。

強制的に取られる赤い羽根募金にも、一瞬「えっ」となるボクには
まねのできないことです。(だって、一万円も取られるんだよ)
⇒ちっちぇー   (^^;
by pingo21 | 2010-09-07 12:42 | デジカメ・写真 | Trackback | Comments(5)