2007年 02月 02日
寅さんの居る風景
それどころか、テレビでやってても余程の事が無い限り、最初から最後まで見る事はなかった。だって、ほとんどマンネリのストーリーだし、喜劇にしても昭和の乗りだから大笑いする所は少ないし、悲しい場面でも泣くこともない。中途半端で生ぬるい映画だと思っていた。
ところが、昨年の夏頃かBS2で寅さん映画の全48話を毎週一つずつ、全部放映しているのを知った(既に2年前から放送)。しかし努めて見たいとも思わなかったけど、たまたま見た物語が結構自分の体験した時代に沿っている事を知った。「あぁ、あれが流行った頃か」とか思うと少しずつ、親近感を覚えていった。
特に寅さんの甥に当たる満男(吉岡秀隆)が親離れする辺りから、ちょっと面白くなり、昨年暮れからは(忘れなければ)毎週見るようになった。と言うのも最近は寅さん映画は民放ではあまりやっていないから近年の作品がどうなっているのか興味があった。
特に最終話がどんな風に描かれているのかも。それと、地元でロケがあった時に、たまたまその側を通りがかった事もあり、それが何時、どのシーンで使われていたのかが知りたかったのだ。
ならば、DVDでも借りてくれば良いけれど、それほどの思い入れもない(どっちやねん)。で、先月やったご当地ロケは46作目の作品だったが、主なロケ地は瀬戸内海に浮かぶ島だった。ただ最後の方の短いシーンで、島ではない何処かで見たような風景が......と思っていたら、ケーブルカーがチラッと映った。
「あ?ひょっとして、ここはあそこではないか?」と思ったら、それを確認したくなったのだ.......と言う長いふりだったが、今日のネタは、先月行ったここから見える、ここでした......。
矢印の、ゴツゴツした山の所ね......。
ここは「八栗寺」と言って四国八十八カ所巡りの一つに当たる寺。
家からは、海沿いを走ると僅か15分ぐらいで行ける所。ただ四国に来て以来、近くのうどん屋(山田屋)には行っても、その先には一度も行った事がなかったので「初詣第二弾」も兼ねて(先月)行ってみたワケ。
駐車場が一杯だったので、上の方に車を止めた。向こうの電線の下をケーブルカーが通る予定だったけど、待てど暮らせどケーブルカーは通過せず(υ´ Д`)
それで近くまで言ったら、何だかとってもレトロな感じのケーブルカーが待機していた。どうも時刻表なんてなくてお客が来ると発車する感じ。でも客は来ず.....。
ナビの地図を見ると、上のお寺までケーブルカー沿いに道があったので、ケーブルカーには乗らずに、そこの道を歩く事にした。
登っていくと、鍵の閉まったお堂があり、ここがロケ地。映画では左手にケーブルカーが見える場所だった。確か、この辺りで寅さんが露店を開いていたと思う。
隣(写真の向こう側)は、お餅か団子かを売っている店で、寅さんの看板があったが、写すと買わされそうだったので止めた。と言うより、お客はほとんど来ない.....大丈夫か?
で、そのまま坂道を歩いていくと、大きな鳥居が.....「ふ〜、やっと着いたか...」と思ったら....。
お寺は、まだまだ先だった。カメラバック片手に来たけれど、もうヒーヒー言ってます。これなら素直にケーブルカーに乗れば良かったと後悔するが、もう遅い(υ´ Д`)
自分としてはかなり歩いたと思う。普段の運動不足が祟ってか、もうゼーゼー言ってます(*´o`)
そこを無理して登って行くと.........やっとお寺が見えてまいりました。
お寺の向こうに見える山が、遠くから見てゴツゴツした山で「五剣山」と呼ぶ。文字通り五つの峰があったらしいが、数えると四つしか見えない。一つは300年ぐらい前の大地震で崩れたらしい(富士山が最後の噴火をした年の事)。
やっと到着したので、とりあえず手を清め、お参りし......
絵馬を書いて.....
おみくじを引いた.....
みたいな写真を撮ってみた。
お参りを終え写真も沢山撮ったので、今来た道を帰ろうとしたら、どうも裏から車で登れる道がある事を発見。何も、ここまで苦労して歩いてくる必要は無かったけど、それだけ御利益がある......かな(^^;)?
あ、そうそう、寅さんの最後の作品。亡くなる前だと知っていたから、見ていて、ちょっと痛々しかった。出てくるシーンも少なかったが、歩くシーンも少なかったから。
予定では、次のロケ地も決定していたらしい。寅さんシリーズがあれで終わった事は残念だけど、それはそれで良かったと思う。昭和から平成に変わった頃から、どうもギクシャクした感じに思えたし徳永英明の挿入歌なんか聞こえてきたら「これが寅さん映画?」と思うようなシーンも多かった。
だって、あのまま続いたとしても、寅さんが携帯使ったり、ビジネスホテルに泊まったりするのは、ちょっと違和感があると思う。もっとコテコテで良い、洗練されなくても良いから、寅さんは寅さんのままで偉大なマンネリ映画として残って欲しい。
時代が変わって、昔気質の考えとか理屈が通らなくなったら今だから、あの映画は昭和そのもののように思えてならない。