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A Story of A 第二章 〜 初めての走行 〜

さて、一通りの説明を受けて家路に着くことにした。

時間は午後7時前ぐらいだが辺りはまだ明るい。で、明るい車内を見回して一つ気が付いた事があった、それは何だか車内が汚れているのである。「明らかに汚い」って言う感じではないが、ダッシュボード上は少し塵が積もっているし、灰皿入れの蓋の部分もザラザラしている。それに革シートも少し汚れが付いていた。

まあ、拭いたら綺麗になりそうだが、何となく「作りっぱなし」の印象を受けた。国産車なら納車時までシートにもビニールカバーがしてあったりするのだが、ここのヤナセの場合A160の時も同様に最初っから全部外されており、あったのは運転席の足下にあるヤナセのロゴの入った紙のマットだけだった。

いや「新車のビニールを外す事に快感を覚える」ほど、貧乏くさくはない。それに最近は国産車でも運転席ぐらいにしかビニールは掛かけないディーラーもある。

一昔前なら納車からボロボロになるまで全席にビニールを残し「どーだ新車だぞー!」と言いたげな貧乏臭い自慢オヤジを見かけた事もあった。だが、そんな昭和の時代のセレモニーも今や「ゴミ処理問題」と絡めて「最初っから外してもらって結構派」なのだ。だが、せっかく車外は綺麗に磨き上げられているのだから「せめて最後のひと拭きがあったら」どれだけ気持ちいいだろうかと思った。

ま、「そんな舅(しゅうと)の小言」はどーでもよろしい。肝心なのは中身なのだから。

で、発車する前にもう一度シートポジションを取り直してみる。電動シートは2台目だが、やはりスムーズで気持ちが良い。それに、この革シートはあまり臭わない。勿論、全く臭わない事はないが、変に「革臭くない」のだ。以前知り合いのEクラスに乗った時はやたら革臭く、しかもツルツル滑ってお尻の居心地が良くなかった。

それを一番心配していたのだが、運転席のホールド感は良く後部座席も無用に滑る事が無かった。また営業氏曰く「最近の革シートはそんなに臭わない」とか。ただ「その内乗っている人の臭いが着いたりする」と言う。

なんかオヤジ臭いAクラスになるのは嫌だな(υ´ Д`)と思った。それに色がベージュだとシートにGパンの色が着いてしまう事もあるそうだ。見た目は良いけど実用性となると色々と気を使わないといけないかな。

汚れで思い出したが、マットはベージュ内装に反して黒を選んでみた。汚れが目立たないメリットもあるがダッシュボードが黒だから適度なコントラストが出来て違和感はない。これはこれで良い選択だと思った。

だが後で確認して分かったのだが、このマットは前車のA160で使っていた純正マットに比べ「少々安っぽい」のだ。何か薄くて軽いのである。一応ストッパーもあるが簡素な作りだ。しかも助手席側にはストッパーさえ着いていなかった。

純正はきちんと納まるのでそれに勝る物はない。だが、もう少し高級感のある重厚なマットを希望するなら「hebuやKARO」がいずれ出すであろうW169用を検討してみても良いかと思う。
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〜 ベージュ内装に黒マットの図 〜

あ、ぐだくだ書いていたら、なかなか発車できないぞ。で、担当営業氏とは軽く挨拶をしてエンジンを駆け、早速路上へと飛び出した.......。



 
もう2回ほど試乗しているので、特別「わー凄い!」と感動する程ではないが、今乗ってきた6万キロ走った初期型A160と比べると全く違った車に乗っている気分だった。

だが、走り始めると直ぐに「ガチャ!」とロックの音が車内に響いた。こればっかりはW168の方が良い。せっかく、ここまで高級感を出したなら機械式のロックは止めて欲しかった。まあCクラスがそうだからAだけとは行かないのだろうな。
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〜 ガチャは嫌だ 〜

乗り心地に関しては今更言う事もないだろう。ただ昔のシトロエン並みの雲の上の絨毯ではない事は確か。初期型A160にあった堅い突き上げ感はないにしろ、それなりに堅さは感じる。たぶん新車の堅さがまだまだ残っているのもあると思うが、それが不快ではないし、これが本来のドイツ車の乗り心地なんだろうと改めて思った。それにA160の時も感じたが慣らしが終わって当たりが付けば結構美味しい乗り心地になるような気がする。

さて、大通りから高速下の道路へと左折する。

試乗では、あまりハンドリングに関しては試せなかったが、普段走り慣れた道を改めて走ると、その違いが良く分かる。まず、少しスピードを出してのコーナリングは、A160の時みたいな腰高感から来る「おっとっと!」って感じは微塵もなく、安心してクイックに曲がれる。

そう、3日乗って気が付いたが、最小回転半径は5.3mとA160ショートに比べて、やや大きいものの何だか小回りが効く感じがするのだ。

その一番の要因は電動パワステによる「ハンドルの軽さ」だと思う。今まで家の駐車場からアクセルと同時に回していたハンドルを同じ力加減で出ると、内輪差によって隣の車に接触しそうになるのだ。ドアミラーで見た感じだから、ちょっと大げさかも知れないが、そのぐらいハンドルは軽く狭い駐車場での切り返しは随分楽になったと思う。

でも本当は、もっと最小回転半径も小さくして欲しかった。だが「クルマのツボ」でも言ってたが、最小回転半径はタイヤの軌跡の半径だとか。ならばタイヤからフロントバンパーまでの距離が短いAクラスなら、数字以上に曲がれる感覚があって良いのだ。まあハンドルの軽さと相まって体感的には小さくなった気がするので、これはこれで良い方向だと思う。
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〜 意外に、こまわり君? 〜


さて、もう少しスピードを出してみよう。

アクセルを踏み込むと、試乗の時に感じた「ブォーン」というエンジン音が聞こえるが、意外と車内は静かだった。いや、一度速度に乗ると、そんなにアクセルを踏み込む事はなくなるので、普通に走っていると確かにA160の時に比べても静かだと思う。最初は「A200はウルサイ」事を危惧していたが実際に乗ってみると全くそうは思わなかった。

ただ路面の状況によつては少しウルサく感じる事もあった。それと、carviewに投稿されている耳に付くほどの異音はないものの、走行中に後ろの方でカサカサとトノカバー辺りが擦れるような音が気になった。どこからかは分からないが、一度確認してみょうと思っている。

CVTに関しては既に色々と言われている通りの感想だった。最初にエンジンが回って、後からスピードが乗ってくる感じ。だから信号GPで一気に飛び出そうとしても「あれれ(υ´ Д`)?」と思うかも知れない。
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〜 排気量を過信してはいけない? 〜

しかし、それがCVTのせいだとは思わない。同じCVT車のフィットだと出足はもっと派手に飛び出していく。A160の時に初めて経験した安全性のための非線形のアクセルワークの味付けが、ここでも出ているのではないかと思うけどどうだろう? だから国産車や、もっと大きな排気量のメルセデス車から乗り換えたなら、この走り出しの緩慢さに不満を覚えるかも知れない。

ただ走り出しは緩慢でも、ひとたび走れば後は結構トルクフルに感じる。特に60km/h前後だと結構キビキビ走れる気がしたが、それ以上の速度はまだ試していない。ただ、これはコンフォートの場合だ。それに学習は全く出来てない状態なので、これも色々と試した後に結論づけた方が良いと思った。

あのA160でも最初は随分苦労したが学習が進むと共に人間のアクセルワークも慣れてきたのか、その内何も感じなくなった。今は、兎に角新しい乗り物に乗り換えたばかりだから、その差ばかりが気になるのだと思う。

W169の評価なんて、オーナーになって毎日乗って何年か経たないと「こういう車だ」なんて、堂々と言えないと思う。えーっと、他にも色々書きたい事が残っているが、もう少し走ってからにしょう。

さて、一度は家へ帰ったものの、夕食後にはもう一度乗って近所を一回りしてみた............その時の感想&妻・子供達の反応は、この次にでも(^^;)。
by pingo21 | 2005-05-31 11:38 | Aクラス(A200E) | Trackback | Comments(0)