2012年 08月 23日
モスクワオリンピック(ス)
その複数形である「Moscow Olympics」とはオリンピックとは全く関係ないバンドの名前 。最初に聴いた時は、初期のFra Lippo Lippiのような北欧っぽいドラムとDurutti Columnみたいな深めのエコーとボーカルに懐かしさを覚えた。
うわ~、やべーマジ涙でそう。
ボソボソのボーカルは聞こえねーぞ、と野次が飛びそうだが「シューゲイザー」とはそう言うスタイルであり、いわゆる「Dream pop」と呼ばれる流れの音。しかし、この人達は一体何者? と思って調べてみたら「フィリピン」のバンドだった。チョー意外だったが、パンドメンバーの嗜好と最初のアルバムはスウェーデンのポップ・レーベルからリリースされたらしい事で.....ナルホドな。
フィリピンのバンドと言われたら、昔のキャバレーバンドぐらいの認識しかなったが、東南アジアにも欧米のロックミュージックから影響を受けたとされるバンドは昔から沢山ある。
そもそも、欧米から見れば日本人がロックをやっていること事態が異質だったに違いない。だから日本だろうが東南アジアだろうが、大して変わりないのだと思う。早速、まともな音質を求めてiTunesで検索したが無かった。
しかし既に2年前、インディーズ系の日本のHappy PrinceレーベルからリリースされていたのでCDを入手するのは大して困らなかった。
ジャケットもらしさが出てグッドです。
何故かCDが2枚入っていたが、タワレコ限定ボーナスCDR付だった。しかも、この「Keeping The Avenues Open」が一番聴きたかったので、ラッキー!かと思っていたら、これが初期の録音の物でアレンジが全く違う。Youtubeのそれは再録されたものらしい。惜しいのは、Mixやアレンジが少しチープなこと。80年代ファクトリーレーベルの影響と考えれば、狙ったものかも知れないが、録音がもう少し良かったらと思う。
ちょっと学園祭バンドの延長みたいな所はあるけれど、Fra Lippo Lippiも初期はそうだった。その、Fra Lippo Lippiはバージンレーベルへ移籍した途端にお洒落なポップデュオに変身したんだっけ。それが何故か東南アジアで大受けして、今でもファンは多いらしい。このバンドの誕生も、その流れなのかも。
北欧ロック・ミュージックが東南アジアで受けるのは、ちょっとヒンヤリとした清涼感が良いのかと考えるのは短絡的か。日本でも熱狂的なDurutti Columnファンがいるように、この種の音楽は商業音楽に乗りにくいが、細く長く生き続けている。
残念なことにCDで聴くのとYoutubeで聴くのと大して音質に違いがない。しかも自らmyspaceやlast.fm、Beko等で曲をフリーで提供している事から、CD売れないのもよく分かる。いや今更CDを買うことが馬鹿らしくなる。
こんな不完全で荒削りなものに引かれるのは、K-Popみたいな完全無欠な作り物がない分、音楽が好きでやまない人の純粋な音楽感を感じかるからなのかも知れない。現状日本のベスト10音楽に落胆する事はなく、世界にはまだまだ自分に合っている音楽が沢山転がっている気がする。
これがきっかけで、長く続いた音楽不感症が改善されたのか、最近は東南アジアのロックを模索している日々。