2010年 02月 08日
朝ポタ日記 〜 讃岐の雑煮 〜
でも、天気が良いので今週も朝ポタへ...。
今日の目的地は、今でこそ全国的に知られるようになった(?)地元香川の「あん餅雑煮」が食べられるお店。
基本的に他県民の私は、ルーツが山口県なのでノーマルな焼き餅が入ったタイプしか食べた事がなかった。しかし毎年、毎年「あん餅入りの雑煮」の話を聞く度に一度は食べてみたいと思っていたのだ。
以前から予約すれば食べられるとか、山奥の方の店にあるとか聞いた事があったけれど、わざわざそこまで行く気にはなれなかった。ところが、案外近い場所にそれを食せる店があったのだ。それが、ここ。
何時も香東川CRへ走りに行く時に通り抜ける商店街の中にある。気がつかなかったのは他でもない、それが普通の喫茶店、いや和風スイーツの店だったからだ。
郷土料理の店とか和食の店なら分かるが、まさかこんな店とは。と思ったたがメインは「あん餅」なんだから、当然こんな店にもあって不思議じゃない。だが何故ここにあるのはか直ぐにわかった。隣が餅屋、いや「餅屋が喫茶店を開いた」って事らしい。まあ「餅は餅屋」って事か(笑
店頭には「あん餅雑煮始めました」の文字が。もう「冷麺始めました〜」の乗りで、あちこちに貼られている。中で確認するも無く、ここで食べられる事は確実だと分かり、とりあえず入ってみる。
オープンしたのは1972年らしく、店内は昭和の雰囲気が漂う名店って感じ。
事前に調べた開店時間は朝の9時。店に入ったのが、その15分後ぐらいだったので予想通り誰もいない。まあ朝っぱらからスイーツ食べに来る客もいないだろう。しかも、いい年をしたオヤジが自転車に乗って一人で。完全に場違いだが「いらっしゃいませ〜」と接客に出てきたのが、これまたオヤジさん一人。
普通、こういう所って和服を着た年配のおばさんとか、若いお姉さんが出てくると思ったのに、まさかの中年男性。日曜日の朝、スイーツの店内で男同士という図も笑ってしまうが、ここまで来たからには「店を間違えました」とは言えない。
そこで席に着くなりメニューで確認するも無く「あん餅雑煮...出来ますか」と。一応出来ますか?と聞いてみた。
すると、ほんの数秒間が開いて「はい」と答えて奥に引っ込んだ。
あの一瞬の間は「こんな朝っぱらから、あん雑煮を注文してくる客なんていないだろう」と思っていたに違いない。なので準備も何も整っていなかったのではないかと推測。しかし、朝雑煮を食べるのは不思議でも何でもない。逆に、ここで「白玉クリームぜんざい」を注文する方が変だろう。よっぽどのスイーツ中年男子に思われる。
予想は的中したのか、ずいぶん待たされた気がした。15分ぐらいか? やっと運ばれてきたそれは、表にあった写真通りの品。
ほ〜、これがあの有名な、あん入り雑煮か。
予想よりシンプルで量が少ない気がするが、お雑煮なんてこんなものか。具はカマボコ、ニンジン、大根ぐらいだけで肝心のお餅は見えない。
隣には青のりと、お茶が添えてある。青のりはトッピングって事で、とりあえずかけてみた。
まずは、白味噌をすすってみる。普段食べている味噌とは違い塩分や辛さはあまり感じない。そう言えば白味噌なんて普段は食べなかった。以前食べたのは、どこかの料亭か何かで出てきた物以来だが、特別どんな味かは覚えていない。
ただ、寒い中冷え切った体には温かくて美味しい。次に、大根と人参を食べてみる。これもまた白味噌と合って美味しい。
そして、いよいよ「あん餅」ですよ、奥さん。箸で椀の底に眠っている、お餅を探ってみたら、ニョキリと小豆が顔を出す。白味噌と小豆と青のりのコンビネーションは未だかつて食したことのない食べ物だ。
確かに甘いが、白味噌とのコラボレーションは悪くはない。不思議な味でもなく想像していた通りだが、全ては白味噌との相性が良くて、これはこれで美味しい食べ物だ。お雑煮と考えるから、その先入観から不思議であって、別に変な食べ物でもないし罰ゲームでもない。
特に美味しかったのは、餅のせいもあるかも知れない。流石に餅屋の餅だ。つきたてで極めが細かく、そこら辺りのスーパーで売っている餅とは全然違った舌触りと柔らかさがある(隣で餅買って帰れば良かったな)。
量も少なかったせいか、あっという間に食べてしまった。最後に飲んだお茶のこれまた美味しい事。流石に甘味処のお茶だ。
しかし誰もこない。まあ朝っぱらから、スイーツもないか。
とりあえず、お代を払って店を出たが「600円」は少々高いかな。ただ他のスイーツの料金を考えると、これが一番手間暇かかるであろう物だから適正価格なのかも知れない。まあ地元の人は食べに来ないだろうから、私みたいな興味本位で食べに来る観光客相手なのかも。
しかし、これで長年の夢が果たせた気がする。
何とも言えない満足感の後、天気が良いので、いつものCRを走って帰りましたとさ。
おしまい。