2009年 03月 31日
オーディオ小僧の食いのこし
求めていた本を探しながら店内をぶらぶらしていたら、こんな本に目が止まってしまいました。
「オーディオ小僧の食いのこし」.....?
ちょっと面白そうなタイトルと絵に興味をそそられて、手にとって立ち読みです。
筆者は、この絵で有名なマッキーこと牧野良幸氏で、彼は少しだけ上のほぼ同年代の人。
その巻頭の文章が.....
オーディオ小僧はオーディオが大好き。
しかしミーハーゆえに本格的なマニアになりきれないのが哀しいところ。
いつまでたってもオーディオの美味しさを追及しきれない小僧なのです。
私は正にその通り。ホームシアターだの防音室だのと夢見てきたのに、JBLもアキュフェーズも手に入れる事もなく住宅事情もあって結果的には吉田苑で買い求めた1bit+Dynaudio+master clockの、なんちゃってHiFiオーディオが精一杯。カーオーディオも憧れのナカミチとか、マッキントッシュ、名前だけのボーズにするハズだったのに、結局の所、中途半端なパイオニアとフォーカルでまとめ上げ。
なんか、やる事なす事中途半端と言うか、それ以上やる勇気もなければ良耳も持たない。
だけど何時かは、とHiFiを求めていた頃。「本書は、そんな小僧の数々の食いのこし(悔いのこし)を描いた、昭和~平成オーディオクロニクルです。」と言うのを見て、まるで自分の事にように思えてきました。
いやいや「オーディオブーム」にも半身で乗り遅れていました。あの頃は、アマチュア無線にどっぶり肩まで浸かっていた時期でしたからね。
本書の通り、最初はプラスチックで出来た「ポータブルプレイヤー」からの出発。その後、高校生の頃だったか、パイオニアの「セントレート」という家具調ではない見た目重視の、なんちゃってコンポを親戚の電気屋さんで買ってもらいました。
それでも、テクニクスのDDのプレイヤーやティアックの2トラさんぱちのオープンリール、SPはヤマハのNS-1000MかJBLの4312をひっくり返って....と妄想にふける時期が続きます。デンスケでかっこ良く生録してみたかったし、4チャンネルもバイノーラルヘッドホンも聴きたかった。それもこれも全てHiFi雑誌やカタログでの脳内セット。だから「これからはカセットからDATに全て代わるぞ〜!」なんて友達に豪語していた頃もありました(恥
そうそう女の子からダビング頼まれたら、わざわざレコパルの付録のカセットラベルに手を加えてあげてましたね。でも、せっかく買った高いカセットテープのポジション間違えて録音したり、曲の途中でテープが終わったりと、一通りの事はやったと思います。
後に、アンプはサンスイの「AU-D607」でプレイヤーは今でも使っているDENON(型番失念)に、カートリッジはシュアーのタイプⅢやMC(DL-103)で、小手先だけの自己満足オーディオの出来上がり。でもカセットデッキは念願のナカミチを買ったけれど、それでも10万円ぐらいの安いやつでしたね。あとCDプレイヤーはソニーの7がつく物(9まで至らず)。
何だかどれもこれも中途半端だったな〜
もっとも、オーディオにお金を掛けるぐらいならオーディオソースにお金を掛けた方がずっと幸せだった事もあると思います。輸入盤は元より、ECMのドイツ原盤探したりブート盤やプロモーション盤にも手に入れて、レア度の競い合い(笑 結局、普通の男子のようなファッションにもオートバイにも興味を示さず。って言うか、そんなお金があれば、辺境ロックのレコードを1枚でも買った方が幸せでした。これって、ひょっとしたらオタク?
そりゃ今では多少の小銭を捻出すれば、まあまあなオーディオセットを購入する事が出来るでしょう。でも今は部屋でゆっくりと音楽を聴くこともなくなり何もしなくなりましたね。そう言えば、ここ数年CD自体買うことがずっと減りました。なんだか何を聴いても感動しないと言うか「あぁ、またこのパターンか」と裏を読みすぎて面白くないと言うか。
そう考えたら、ハードもソフトも全てが新鮮だった今まで歩んできた道の方がずっと楽しかった様な気がします。まあ、そんなオヤジ達は是非読んでみて下さい。きっと「これ俺だよ〜!」と大笑いするに違いありませんから。